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タカ派とハト派がもたらす為替相場の傾向を知ってトレードの参考にする

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マーケットニュースでは、タカ派とハト派という言葉をよく見かけます。

タカ派とハト派は投資家の心理に大きく影響するものなので、FXをするにあたってぜひ覚えておきたい用語です。

本記事ではそんなタカ派とハト派の違いや、為替の売買傾向について詳しく解説していきます。

タカ派とハト派とは

タカ派とハト派はもともと政治家の思想や傾向を示す用語です。

  • タカ派→戦争や武力行使に肯定派
  • ハト派→武力行使に否定派の平和路線

鳥の鷹と鳩に例えて、政治の強行路線か否かを示す言葉として用いられています。

日本の政治においては特定に政党や派閥に使われており、政治家の思想を表す用語として使われる傾向です。

金融政策におけるタカ派とハト派

タカ派とハト派という言葉は、前述した政治思想だけでなく金融政策においても用いられています。

金融政策におけるタカ派とハト派の定義は以下の通りです。

  • タカ派→自国の経済に強気で積極的な金融政策を強いる事
  • ハト派→自国の経済に弱気で金融政策において消極的な姿勢

主に各国の中央銀行総裁や政府要人の考えを示す際に使われます。

中央銀行の総裁や政府要人は金融政策の決定権があり、会見の内容などをタカ派、ハト派で分類する事が多いです。

参考:FRB、タカ派とハト派の見解読む勘所 

タカ派は自国通貨の期待感に繋がる傾向

タカ派は自国経済に強気で積極的な金融政策を打ち出しますが、この姿勢は自国通貨の買いを促すケースが多いです。

大規模な経済対策や金融緩和は自国経済が衰退している時に行われます。

それまで衰退していた経済を大規模な政策により「経済好転が期待できる」といった判断がされやすいため、買いが集中する傾向にあるのです。

反対に経済が衰退している中でハト派の姿勢が見られると「経済状況に進展はない」「今後の悪化が懸念される」といった不安材料に繋がりやすく、自国通貨が売りに転じる傾向にあります。

指標時に大きく動くのはタカ派の発言

経済指標では、GDPや失業率といった経済状況を数値化して示すものが多いです。

投資家が指標の数値を見て売買を始め、為替相場が大きく動きます。

指標の中には〇〇総裁の発言や〇〇議長定例会議といった、主要人物の発言も注目を集めます。

しかし注目度が高いとは言っても、必ずその発言時に相場が動くわけではありません。

現状維持や追加での経済対策を行う姿勢のないハト派の意見では、発言による市場の反応が小さく、それほど大きな動きを見せない場合が多いです。

それに対してタカ派の意見は、強行なものであったり新たな金融政策を示すことから投資家たちが敏感に反応を示します。

同じ注目度の高い発言系の指標でも、相場が動く時と動かない時にはタカ派とハト派による違いがあると覚えておきましょう。

タカ派とハト派による為替相場傾向

次は、タカ派とハト派の発言による為替相場傾向を実際の事例から見ていきたいと思います。

過去の値動きを参考にして今後の分析に活かしてみてください。

ハト派が自国通貨の売りを招いた例

上のチャート画像は、2021年7月3週目のUSD/JPY(米ドル/日本円)1時間足です。

アメリカのパウエル連邦準備制度理事会議長が発言をした影響でドル買いが加速をした週でした。

それまでアメリカのインフレ率上昇が危惧されていた状態でしたが、この週に行われた会見でパウエル議長は「アメリカのインフレ上昇は一時的」と楽観視したハト派的な発言をしています。

これがインフレを懸念した新たな金融政策を打ち出したのであればタカ派的な発言と取れましたが、現状維持を掲げたことで投資家たちが懸念材料と判断をした事になります。

その結果、米ドル売りが加速してUSD/JPY相場もご覧のように大きく下げた形となりました。

ハト派的な消極的発言が自国通貨の売りに繋がった例です。

タカ派が自国通貨の買いを招いた例

上のチャート画像は、2021年6月3週目のUSD/JPY相場です。

一時的に安値を付けてから大きく上昇しているのが分かります。

この週はアメリカでFOMCが開催された週でした。

アメリカではそれまで利上げの可能性は全くないと考える方が多かったのに対して、この週のFOMCでは利上げを主張するメンバーが増えたことや議論の開始が認められたことが米ドル買いに繋がった形です。

金利の利上げは国の景気好転を示すので、通貨の買いが進行する要因となります。

米ドルの利上げは全くないと考えられていたところから、利上げの可能性が出てきたことで投資家たちが一気に米ドルを買いの上昇に転じました。

それまで示唆されていなかった政策を打ち出したタカ派的な動きであり、自国通貨の買いに繋がった例となります。

要人の具体的な発言ではなくても、議会や国の方針で積極的な金融政策を行う事もタカ派的な動きと認識されています。

FX重要経済指標ランキングベスト4|これだけは覚えておくべき経済指標

リスクオフ・リスクオンの動きに注意

安全資産を買ってリスクの高い通貨を売る→リスクオフ、安全資産を売ってリスクの高い通貨を買う事をリスクオンと言います。

関連記事:リスクオンとリスクオフでFX売買傾向を把握してトレードする方法

安全資産には日本円、米ドルといった暴落リスクの低い安定した通貨が挙げられますが、タカ派ハト派の動きにはこのリスクオンオフの相関性が重要となるケースがあるのです。

それぞれの例を見ていきましょう。

タカ派の動きになった場合

アメリカで大規模な金融政策が打ち出されるタカ派的な動きがあったとします。

その際はアメリカ経済の好転への期待から米ドルが買われやすくなりますが、例外としてリスクオンの動きになると売りに転じる投資家が増えるのです。

アメリカやヨーロッパといった主要国の経済好転では、世界中の投資家が楽観的な思考を持ちます。

そうなると安全資産と認識されている米ドルが売られて、変動リスクの高い新興国通貨を買う動きが強まるのです。

タカ派でも投資家にリスクオンの考えが出ると自国通貨の売りが強くなるケースもあるので注意しましょう。

ハト派動きになった場合

反対に消極的な姿勢ではあるハト派の場合は、日本円や米ドルの買いが進行するケースもあります。

アメリカやヨーロッパでハト派的な動きが見られると、「世界経済の好転はまだまだ時間がかかる」といった不安材料になりがちです。

そのケースで投資家は、自身の資産を暴落リスクの低い安全資産に移すリスクオフの動きをとる傾向にあります。

ハト派的発言であったとしても、日本円や米ドルのような通貨は資産の移動先として利用されるケースも大いにあるのです。



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