チャートの波形(相場の波)をいち早く正確に自動で描写する便利なインジケーターに「ZigZag(ジグザグ)」があります。
チャートのローソク足だけだと少しわかりにくい、Wボトム、三尊、逆三尊などが一目でわかりやすくなるので活用しているトレーダーも多いのではないでしょうか?
今回はZigZag(ジグザグ)の使い方や注意点について詳しく紹介していくので、ぜひチャートパターンを見る上での参考にしてみて下さい。
この記事の目次
ZigZag(ジグザグ)とは
ZigZag(ジグザグ)とは、MT4やMT5に標準搭載されたインジケーターです。
チャート上部の「挿入」→「インディケータ」→「カスタム」→「ZigZag」の順にクリックすると表示できます。
上画像のように、相場の波に合わせて線がジグザグに動いているのが、今回紹介するZigZagになります。
ZigZagは、価格が上下に動く波に合わせて形を変えるという性質から、為替相場の波を分析する際に有効となるのです。
ZigZagのパラメーター
ZigZagでは、標準設定からパラメーターを変える事で表示の仕方も変更可能です。
上記3つの設定が自由に変更できます。
- Depth(デフォルト設定12):谷と山の表示が変わる数値。数値を大きくすれば山・谷の数値が大きくなり、数値を小さくすれば山・谷も細かな表示となる
- Deviation(デフォルト設定5):ZigZagの転換率
- Backstep(デフォルト設定3):ZigZagのラインは反転する期間
転換率や反転する期間はデフォルトで使う方が多いですが、Depthの数値は個人の裁量で設定すると良いです。
後術する注意点で詳しく解説をしますが、ZigZagはトレード手法によって波の位置が合わない場合があります。
短期的に細かい波を見たい場合はDepthの数値を小さく、長期的に大まかな数値を分析したいのであれば数値を大きくするかデフォルトで使用すると効率が良いです。
また、転換率や反転期間を変えても全く異なる表示方法となるので、まずは数値をいじって自身が使いやすい設定で試しましょう。
ZigZagの使い方
次は、ZigZagの効果的な使い方について紹介していきます。
下記を参考にして、相場分析の精度を高めていきましょう。
高安値を瞬時に確認する
ZigZagは、直近相場の高安値を瞬時に判断する際に便利です。
チャートを広い視点で見た時に、すぐどの価格帯で高安値を作っているのかが判断できます。
また、ZigZagが角ばっている箇所は、相場が反転or波を作っているポイントになります。
為替相場は指値という注文方法がありますが、意識される(指値の貯まりやすい)価格帯を分析する事が特に重要です。
ZigZagの角ばったポイントは、直近で意識される価格帯がすぐに反映されるので、水平線を引いて相場の状況や指値の溜まりやすいポイントを分析するのに有効です。
トレンドの波を判断する
ZigZagが最も多く使われているのは、FXにおけるトレンド相場の分析です。
為替相場のトレンドでは、一方方向にだらだらと伸び続けるのではなく、小さな反発をしながらトレンドを形成するという特徴があります。
トレンドの波を分析する手法には、エリオット波動やN波動のようなものがあり、そのパターンを見極める際に有効です。
先ほどのチャートを例に見ると、青く囲んだ四角のポイントはN字にトレンドができているので、N波動を形成しているパターンと認識できます。
ZigZagを挿入しておくことで、相場の波がいち早く分析できるようになるのです。
上昇トレンドでは押し目買い、下降トレンドでは戻り売りのポイントが瞬時に見極められるようになるので、相場の環境認識に最適と言えるでしょう。
チャートパターンの分析
ローソク足を使った分析方法には、様々なチャートパターンの分析があります。
- トリプルトップ:高値圏で3回の反発をするパターン
- トリプルボトム:安値圏で3回の反発をするパターン
- ダブルトップ:高値圏で2回の反発をするパターン
- ダブルボトム:安値圏で2回の反発をするパターン
上記以外にも、ざまざまなパターンが意識され、その時の価格帯や反発の回数、相場状況などを見て先の価格を予想するというものです。
ローソク足だけでは判断が難しくても、ラインチャートのように表示されるZigZagを使えばすぐに判断ができます。
FX初心者の方は、まずZigZagを表示させながら、現在の相場がどのパターンに当てはまっているかを確認してみると良いでしょう。
レンジ相場の状況を確認する
レンジ相場では、激しく上下に規則正しく動くパターンと、小さな平均値で推移する2種類に分けられます。
FXでは後者の小さな平均値に推移したポイントを狙う事で、その後のトレンド発生に備えられる傾向にあるのです。
上のチャートを見ると、青く囲んだポイントではレンジ相場であるにも関わらず、ZigZagの波が小さくなっている事が分かります。
これは持ち合い相場というトレンドの前兆に繋がるパターンです。
現にその後の相場を見ると、上昇トレンドが発生しています。
平日の日中や各国の休場など明らかに平均値が小さい日ではなく、通常の相場でZigZagが上のような小さな動きとなれば、その後トレンド発生のチャンスです。
ZigZagの注意点
最後に、ZigZagを使用するうえで知っておきたい注意点を紹介します。
ZigZagの注意点は主に以下の2点です。
- 自身の裁量では押し目戻り売りと判断できても、ZigZagは反応していない場合がある
- 相場の方向性が決まっていない状況では、ZigZagの反映が遅い
ZigZagは全ての反発に反応するわけではないありません。
直近で陽線陰線が続くような相場であれば、その小さな波に反応しない事もあるので注意しましょう。
前述したように、パラメーターの設定変更である程度敏感に反応はさせられますが、手法次第ではローソク足のみを見て分析をした方がいい場合もあるのです。
あくまでもトレードの補助的な感覚で使用しましょう。
また、ZigZagの伸びた方向へ価格変動が起きている場合は問題ないですが、上チャートのように相場の方向性に迷っている状態では、ZigZagの反映も遅くなってしまいます。
ZigZagは直近相場のエントリーポイントを判断するというよりは、その前の相場でどのような波を付けたのか、どのような相場を経て今の相場があるのかを判断して分析に活かすインジケーターです。
明確なエントリーポイントの判断は、異なるインジケーターを使うか、ローソク足の根拠などを追加して行うと良いでしょう。
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