FXトレードする際に、トレンドラインをチャート上に描写してテクニカル分析をするトレーダーが一般的です。
しかし、トレンドラインは使い方や見方によって、FXにおける危険な分析手法となってしまうケースがあります。
本記事では、初心者がやりがちなトレンドラインを使った危険なエントリーというテーマで、概要や注意点について詳しく解説していきます。
この記事の目次
トレンドラインの引き方
トレンドラインに限らず、ラインの引き方には正解がないと言われています。
つまり、自身の判断で「意識されている」または「意識されるであろう」といった価格帯を見極める事が重要となるのです。
トレンドラインの引き方には2つのパターンがあり、ヒゲ先に引くパターンとローソク足の実体に引くパターンがあります。
まずはその2つについて見ていきましょう。
ローソク足のヒゲ先に引くパターン
ローソク足のヒゲとは、その価格帯での高安値に伸びた線のようなものです。
一般的にローソク足のヒゲは、以下のような意識をされていると判断されます。
- 上ヒゲ：高値挑戦に失敗により下落への力が強い
- 下ヒゲ：安値挑戦に失敗により上昇への力が強い
そのため、トレンドラインをヒゲ先に引くという事は「相場の方向性を示す際に有効」となるのです。
トレンドラインをヒゲ先に引いて、下降トレンドを作っていたら下値の勢いが強い証拠と言えるでしょう。
反対に下ヒゲにぶつかっているトレンドであれば、順調にショート勢力の力が増しているトレンドと判断できます。
上位足での分析はだましが少なくなるので、短い時間足ではなく日足や週足ベースで見る際にはヒゲ先でトレンドラインを引く方が効率的です。
ローソク足の実体に引くパターン
トレンドラインを引く方の多くは、前述したローソク足のヒゲ引く方が多い傾向にあります。
しかし、以下のような状況であれば、ローソク足の実体に引く事も有効です。
- 短期足での分析をする場合
- 直近相場でローソク足がヒゲを付けずに確定している場合
短期足では思ったようにヒゲを付けないケースもあるので、実体に引いて分析する事も効果的です。
また、銘柄によってはヒゲを引きやすいものと引きにくいものがあります。
ドルストレートの銘柄はクロス円通貨に比べるとヒゲを作りにくいというデータがあるので、銘柄や相場状況によって変えてあげると良いでしょう。
ヒゲの多い相場というのは価格動向が安定していない状況なので、実体のあるトレンドの方がだましが少ないと言えます。
トレンドラインの危険な分析方法
次は、トレンドラインを使った危険な分析方法について解説をします。
ここで紹介するパターンは、初心者が間違って使っている方が多いパターンです。
下記を参考にして、トレンドラインを使ったエントリー判断を間違えないようにしていきましょう。
トレンドラインのブレイクで転換と勘違いする
多くの方が陥りやすい罠として、トレンドラインのブレイクをした際にトレンド転換していると判断する方が多いです。
当然転換をするケースもありますが、基本的にはそのパターンは間違いと言えるでしょう。
上画像のように、トレンドラインをブレイクしてきたとしても、その後トレンド継続する可能性は高いです。
また、トレンド過程で一服をしたレンジを形成する事もあります。
為替相場の世界では、トレンドがずっと伸び続けるのではなく、小さな波を作りながら伸びる事が多いです。
トレンドラインのブレイクは、上昇トレンド過程の押し目買い、下降トレンド過程の戻り売りのパターンになるケースがあるので、安易なエントリーは避けるようにしましょう。
必ずトレンドライン通りに動くわけではない
為替相場では、投資家の売買によって価格動向が決まります。
仮に直近相場でトレンドライン通りに機能していたとしても、その後もトレンドライン通りに機能するとは限りません。
どのみち為替相場は、トレンド相場とレンジ相場を繰り返して形成されます。
その中でもトレンド相場は3割、レンジ相場７割と言われているので、トレンド相場はいつまでも続くわけではないという事です。
むしろトレンド相場の方が割合として少ないので、トレンドラインを引いたとしてもいつまでも機能することはなく、いつか終わりを迎えてしまいます。
また、トレンドラインは世界中のトレーダーが同じチャートを見ているからこそ機能します。
しかし、MT4だけで見ても各FX会社でサーバーが異なるので、数値の違いなどは発生してしまうものです。
初心者の方は、トレンドラインで綺麗に反発をして価格更新が行われると勘違いしてしまいますが、チャートの形は一様ではなく多少のずれもあることを肝に銘じておきましょう。
トレンドラインを使った効果的な分析方法
次は、トレンドラインを使った効果的な分析方法について紹介します。
前述したトレンドラインの注意点を踏まえて、下記の方法を参考にしてみてください。
時間足ごとに複数のトレンドラインを引く
仮に自身が分析している足が１時間足であった場合、見ている足よりも上位足にもトレンドラインを引くと効果的な分析に繋がります。
４時間足や日足でラインを引く事で、相場分析の精度も増していく仕組みです。
また、複数のラインを表示させる事は、チャートが見にくくなってしまう可能性もあるので、時間足事のラインで色を変えるなどして対処しましょう。
トレンドラインを引く際は、短期的なトレンドラインと長期的なトレンドラインを引いて、相場の方向性を常に把握できるようにしておくと良いです。
定期的にラインの修正をする
トレンドラインを引く際は、引いたラインを過信するのではなく、トレンドの強弱に合わせて定期的に修正を行いましょう。
トレンド相場は、常に同じ角度で推移するわけではありません。
それまで緩やかなトレンドが続いていたとしても、その後角度の急なトレンドに切り替わるというケースはとても多いです。
そうなると、緩やかなトレンドの時に引いていたトレンドラインの効果は全く無くなってしまいます。
機能していないと感じたラインはすぐに消して新たなラインから分析を行いましょう。
強いトレンドであったとしても、時間帯や相場状況によって角度は異なるので、常に更新をするという意識を持って臨むことが重要となります。
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